低濃度アトロピン
低濃度アトロピン点眼とは
近視は高度な場合、視力低下、近視性の黄斑変性症、網膜剥離、緑内障など様々なリスクが高いと言われています。近年はスマートフォン使用の低年齢化や学校でのタブレット授業の導入などにより、今後も近視の子供が増加すると予想されます。すでに日本を含めてアジアでは近視の子供の数が急増しております。近視は主に子供の成長期に目の長さ(眼軸長)が伸びることで生じます。一度伸びてしまった眼軸長はもとに戻りません。特に眼軸長が伸びやすいのは小学生の時であり、急激に伸びるために近視が進行します。
将来、強度近視になり眼疾患を予防するためにも、小学生や中学生時に眼軸長を伸ばさないかが近視進行抑制につながります。そこで、当院では低濃度アトロピン治療をおこなっています。
低濃度アトロピン(0.01%・0.025%)点眼薬は小児期の近視の進行を軽減させることを目的とした点眼薬ですが、日本ではまだ保険適応ではなく、自費診療となります。
効果としては進行を平均60%抑制させると言われています。
※ 近視の進行を抑制するものであり、近視が治るものではありません。
副作用
通常のアトロピン点眼薬よりも濃度が低いため、副作用がほぼ皆無と言われており日中のまぶしさにも影響を及ぼすことがないためサングラスも不要です。また手元の見え方にも影響を与えません。
もちろん全身への副作用も現在のところ報告されておりません。
治療の対象
- 18歳以下 (4歳~15歳頃迄までの効果が認められています)
- 中等度(-6D)以下の近視の方 (遠視や強度近視は適応になりません)
- 3ヶ月毎の定期検診に通える方
治療の流れ(予約制ではありません)
- 毎日就寝前に1滴点眼するだけの治療です。
- 当院ではアトロピンを自家調整したものを使用いたします。
- 点眼薬1本で両眼用に2週間の使い切りです。(1ヶ月に2本使用します)
- 点眼開始後1ヶ月時の状況を確認し、異常が無ければ点眼薬を追加処方します。その後は6本(3ヶ月分)ずつの処方となり3ヶ月毎の定期検査とします。
- 定期検査では屈折、視力検査、眼軸長の検査後に診察を行います。
- 治療は2年以上継続して頂く事をお勧めします。
- 低濃度アトロピン点眼治療は保険外診療(自費診療)であるため、他の疾患(保険診療)と同日に検査や診察は出来ません。(子ども医療費助成制度も適用されません)
治療の費用(税込)
初回開始時 | 診察・検査料+2本【1ヶ月分】 | 0.01% | 0.025% |
4,400円 | 5,500円 | ||
継続点眼 | 診察・検査料+6本【3か月分】 | 0.01% | 0.025% |
5,500円 | 7,700円 |
※ お支払い方法は現金かクレジットカード決済でお願いします。 (QRコード決済不可)